AIに仕事を任せられるかどうかは、モデルの賢さでは決まらない。手順書の質で決まる

うちの会社では、AI社員がやる定型業務を全部「スキル」という単位の手順書にしている。SNS投稿のスキル、経理記帳のスキル、開発のスキル、動画制作のスキル。現在38本。AI社員は自分の判断で仕事をするんじゃなくて、該当するスキルの手順書を開いて、その通りに実行する。

「AIなのに手順書通り? 自律性は?」と思うかもしれない。逆だ。手順書があるから自律できる。手順が曖昧なままのAIは、毎回少しずつ違うやり方を発明して、そのうち事故る。人間の新人と同じで、型を持った人だけが応用できる。

手順書の3原則

運用して固まった原則が3つある。

原則1: 車輪の再発明禁止。 作業がスキルの守備範囲なら、自己流でやらず必ず手順書を読んで従う。これを全社員の共通ルールとして明文化している。AIは優秀なので、手順書を読まなくても「それっぽく」やれてしまう。それが一番危ない。

原則2: 常時は読ませない。 38本の手順書を全部読んでから仕事を始めたら、それだけで頭(コンテキスト)が溢れる。だから普段は「作業→スキル名」の対応表だけを持たせて、該当作業のときだけ該当の手順書を開く。人間だって全マニュアルを暗記して出社しない。どこに何のマニュアルがあるかだけ知っていればいい。

原則3: 手順書が無い・壊れている時は、止まらず上司へ。「できない」で黙って止まるのが一番悪い。スキルの不備はその場で直すか、上司(統括AI)にエスカレーションする決まりにしている。